マッサージベッド(テーブル)の選び方

マッサージベッド(テーブル)の専門販売店としてラベンダーヒルでは、20年近くにわたり、アメリカ、カナダ、中国をメインとしていろんな国の数多くのマッサージベッドメーカーの様々なグレードのマッサージベッドの販売に加え、自社で販売したマッサージベッドのみならず他社さんが販売されたマッサージベッドの修理・張替え等のアフターケアを行っています。

その経験と実績から、これから

・マッサージベッドを購入したいとお考えのお客様、また、
・より良いマッサージテーブルに買い換えたいとお考えのお客様

のご参考になるよう、マッサージベッドを選ぶ際の品質と耐久性の見極め方をご説明いたします。

 そもそもマッサージベッドを購入される時に、

・躯体に強度の高いグレードの木材や金属材料を使用し、
・経年劣化のしにくい真に高耐久性のPVCビニール、合成皮革(PUレザー)を張り生地材料に使用した

マッサージベッドをお買い求めになれば、購入からたった5年~10年ほど経ってから張替えをする必要などないのです。
購入した後にレザーの張替えにそれなりの出費をしなくても済むのです。 是非、良くお読みいただいてマッサージベッド選びのお役にたてればと思います。

このページの目次

マッサージベッドの価格とその品質の違いについて

マッサージベッドの価格について

現在、日本で販売されているマッサージベッドのうち、木製の躯体の折りたたみ式のポータブルマッサージベッドに限定して見てみると、下は税別価格で9千円ほどの1万円未満のものから上は20万円ほどまでと多岐にわたります。

商品(製品)として世の中に出回るマッサージベッドの最終的な小売価格は下の①~⑧に分解できます

①製造するマッサージベッドメーカーの製造コスト
②製造するマッサージメーカーの利益

③マッサージベッドの製造メーカーから製品を仕入れる卸売の販売会社が一般的に負担するメーカーから販売会社の倉庫に届くまでの輸品費を中心とした物流コスト
④マッサージベッドの卸売の販売会社の利益

⑤マッサージベッドの卸売の販売会社から小売りをする販売会社までの輸送費を中心とした物流コスト
⑥マッサージベッドを小売りする販売会社の販売経費
⑦マッサージベッドを小売りする販売会社の利益
⑧マッサージベッドを小売りする販売会社から最終的にお買い物をされるお客様までの宅配便送料を中心とした輸送コスト
⑨ 上の①~⑧の合計がマッサージベッドの小売り価格です

インターネットのショッピングサイトに出てる 最終小売価格が、”送料無料”で”税込価格10,000円”のマッサージベッドっていったいいくらの材料を使ってるの?

それでは、インターネットで”マッサージベッド”、”マッサージテーブル”、”エステベッド”、”整体ベッド”、”施術ベッド”などのキーワードで検索をしたときにずら~ずら~と出てくるマッサージベッドで”送料無料”で”税込価格10,000円”の品物の原価はいったいいくらなのか検証してみたいと思います。 

上の最終的な送料込み税込小売価格が1万円の品物の材料の原価を探ってみます。 上の⑨を⑧~①に分解してみます。

⑨ 最終的な小売価格から、まず最初に税込み送料無料10,000円を分解します。 
税込み10,000円の品物は現在の日本の法律で定められた消費税率10%で割り戻すと 

10,000円 ÷ 1.1 = 9,090円 となります。消費税は 910円ですね。

⑧ 次に小売店の価格表示が ”送料無料” と表示されていても、現実には日本の宅事業会社大手であるヤマト運輸、佐川急便を中心にどこの宅配便会社もまさか無償で品物を消費者であるお客様のもとに配達をしている事実はないはずです。
よって、上の税別9,090円には宅配便の送料が含まれていると考えるの妥当です。
宅配便の送料は出荷元とお届け先の距離・地域で決まりますので、同一地域内であっても、日付指定・時間指定サービスのない、最安値のヤマト運輸のヤマト便の場合、同一地域内の最低運賃で税別2,300円ほどから一番遠距離の地域への最低運賃は4,100円ほどとなっています。 

中間の3,000円が送料として、上の9,090円から実質的な小売販売店の売値を計算すると、

9,090円 - 3,000円 = 6,090円 が品物本体の小売り値となります。

次は、小売り販売会社の利益を無視して、⑥の小売り販売会社が負担している販売経費を探ってみたいと思います。

そのうち、一番多いと思われるのが、ネット上のショッピングモールに商品を掲載する出店費用、掲載費用です。 日本のショッピングモールの大手は、amazon(アマゾン)、楽天、Yahoo shoping(ヤフーショッピング)ですが、そのうち一番掲載料率が高額がamazonを例にみると、amazonの場合、販売価格の~15%がamazonへ販売会社が支払う出店・掲載料と思われます。

税別9,090円の商品の掲載料が10%として

9,090円 X 10% = 909円 がネットショップへの支払い経費と思われます。

次は、マッサージベッドを製造するメーカーから日本に入ってくるまでの物流コストを探ってみます。

現在の日本で出回っているマッサージベッドのほとんどが中国のメーカーによって作られているものになります。 

当社でも中国上海にある規模だけは世界最大のメーカーにOEM製品の製造を依頼して輸入して販売している経験をもとに説明します。 中国の工場のほとんどは太平洋側に集中しており、上海や大連、青島などの工業地帯を抱えるエリアからのコンテナ船による船便・海上輸送でもってマッサージベッドを日本に輸入する場合、非常に安価である海上輸送の運賃、港についてからの荷役業者などに支払う費用を全て勘案しても、マッサージベッド1台当たり最低でも1,000円~3,000円ほどの輸送コストがかかります。 一番低めの1,000円の輸送コストが輸入にかかると仮定して、途中の計算をはし折って、中国のメーカーの工場出荷価格を計算してみると、上に計算した内容から、次のようになります。

税込・送料無料1万円の商品の大元の中国の工場の出荷価格

(最終販売価格)10,000円 - (日本の消費税10%)910円 - (送料無料にはなっているが価格に含まれている日本国内の宅配便送料)3,000円 - (ネットショップへの掲載・出店費用)909円 - (中国のメーカーから卸・小売りを問わず日本の販売会社の倉庫に入庫されるまでの輸入物流コスト)1,000円 = 4,181円

この 4,181円の中には、販売会社が継続するための利益、販売費一般管理費が含まれていますので、仕入原価が粗利益率低めの60%としてみても、1台あたり2,500円ほどの製造原価のしろものであると推測できます。
この2,500円は中国のメーカーの出荷価格ですから、製品一台に使用されている材料費は、せいぜい1,300円ほどではないでしょうか? 1,300円ほどの材料費で、躯体の木材、蝶番やボルトやネジなどの金物、マットのスポンジ、マットの周りを覆うビニールレザーをまかなうわけですので、いったいどんな材料を使っているかは、言わずもがなですね。 あ~恐ろしい!

同じ計算を、2万円、3万円、5万円くらいの小売販売価格に当てはめて、材料も原価を推測してみると、さすがに、1台あたり日本円で千円台とはいいませんが、付属品のプラスティック部品、ナイロンのキャリーケースなどが付属しているのを加算すると2万円台のものでも5千円もしない材料費で作られている製品であることが判明します。 

小売価格が5万円のものでも材料費はせいぜい1万円もしないと思われますので、マット表面の張り生地のレザー(塩ビ、PUを問わず)ラベンダーヒルが張替えで使用している、耐加水分解10年のジャングルテストの結果がある日本製のビニールレザー原価すらないとわかります。

マッサージベッドの材料の品質・耐久性と価格のアンバランスについて

ポータブルマッサージベッドで日本製として販売されている木製のマッサージベッドも世の中には出回っていますが、その日本製と称して販売されている製品は、中国のメーカーによって作られ、その製品を輸入している商社的役割の日本のメーカーが、小売店に卸し、それがインターネットを通じて販売されている為、価格には商社的役割のメーカーとその販売代理店の利益が上乗せられており、売値ほどの品質の価値はないものと断言できる製品もあります。

また、卸販売をアピールして販売しているマッサージベッドの販売会社の製品も同様に、卸をしている販売会社の充分な利益、その販売小売店の利益が価格に含まれており、製品そのものの材料の原価は、小売り価格の4分の1もないでしょう。

大まかに判断して、価格が6万円以下のマッサージベッド製品で、かつマッサージベッド購入者に対する製品の保証期間が5年以内のものは張り替えて使用するには満たない品質のものであるといえます。

また、中国製以外のアメリカ製のマッサージテーブル製品の中にも、躯体とマットの中のフォームの品質に比して著しく、品質の低いレザーを使用して作られているマッサージテーブルメーカーの製品も多く存在しています。
当社に張替えのご相談があったお客様の中には、一流ホテルとして有名なホテルSPAで使用するからと、マッサージベッドの品質の知識に乏しい業者から勧めれたままに、高級ステーショナリーマッサージテーブルだからと、アメリカ製の1台あたり40万~50万円ほどの据え置きタイプの製品を10台ほど購入し、たった3~4年の使用の後、マットのPUレザーがボロボロに劣化して使えなくなったので何とか張り替えて欲しいというお客様もいらっしゃいます。 ホテルのSPAとして毎日のサロンの営業しながらの張替えのご依頼でしたが、会社の修繕に対する稟議が下りるまで一月以上もかかり、その間、ベトベトボロボロになったマットをフィットシーツで隠しながら、SPAご利用のお客様からいただく1回あたり数万円を超える高額な施術単価のトリートメント代をいただいていたお客様もいらしゃいました。 万一、施術を受けられるお客様がシーツをめくってしまって、ベトベト、ボロボロになったマッサージテーブルのマットの酷い状況を知ってしまったらと想像するとぞっとしますね。

本当に良い高品質のマッサージベッドを手に入れるためのチェックポイント

マッサージベッドを購入してから最低でも10年以上の継続使用に耐え、マッサージテーブルトップのマットのレザーの張替え不要のマッサージベッドを手に入れるためのチェックポイントを販売店の見極め方、製品そのもの品質の見極め方の2つの観点からまとめました。

良いマッサージベッドと販売店の見極め方

□ インターネット上のショッピングモール、ECサイト、またインターネット上のクリック広告でマッサージベッドを販売しているお店は可能な限り避ける。

理由:良い品質のマッサージベッドを取扱っている販売店は、インターネット上の通販サイトには商品を掲載しません。 ECサイトはネットでポチっと簡単に購入できる利便さはありますが、マッサージベッドの品質そのものに競争力がないため、広告料・掲載料を払うことによってその製品の存在をアピールしているだけで、商品・製品そのものの知名度が低い(=品物の質が低い)ものです。

上の価格の説明にありるように、広告宣伝費、掲載料が価格に転嫁されています。

□ 価格の2重表示、卸値表示のお店は避ける

理由:希望小売価格(もしくは定価)と販売価格2重表示し、一度もその価格で販売したこともないのに、実際の売値を安く見せかけて販売しているお店が未だに多くあります。売値が妥当な品質価格です。

また、小売りしかしていないのに、卸値、卸価格と、あたかも小売りで買うよりお安く買えますと思わせるためだけの小売りしかしていない会社も多く存在しています。 これも卸値表示されている価格が品質価格です。

上記のようなお店で購入されたマッサージベッドを張り替えたい、修理して下さいと、今まで何台ものマッサージベッドを持ち込まれたお客様がいらしていますが、品物を見ると子供のおもちゃのような代物で、修理する価値がないと判断し、修理・張替えはお断りさせていただきました。 

□ 送料無料で販売されているお店は避ける。

理由:これも価格の説明でしているように、どこの宅配業社も無料で荷物の配達はしません。
販売価格に送料が含まれている事実を認識すべきです。
”送料無料”の表示につられて買物をする消費者が多いのは事実ですが、冷静に品物の価格に含まれている送料や広告代を引いて、品物の原価・価値を見極めるべきです。マッサージベッドは宅配便サイズで一般的に200サイズという大型貨物です。 
マッサージベッド一箱あたり最低でも3,000円の送料が含まれていると認識しましょう。 
”送料込み”と表示する販売店のほうが、まだちょっぴり正直かもしれません。

地域により宅配便の送料が異なるのに、日本中のどこの地域のお客さんも同じ送料を負担するのは、実質不公平であると思います。

□ ビニール・レザー材料の素材について詳しく表示していない販売店は避ける。

理由:現在のマッサージベッドによく使用されているレザーはPU(ポリウレタン合成皮革)です、ポリウレタンのフェイクレザーには、必ず湿気に対する耐久性をテスト(=加水分解テスト)するジャングル試験が実施されます。

ジャングル試験の値の公表・明示をしないで、ただ単に”高級PUレザー”、耐久性★4つなどと表示しているマッサージベッドを購入検討の際には、必ずそのジャングル試験の結果の値を販売店に確認しましょう。

PUレザーはグレードはピンからキリまであり、購入してから数年で劣化する、ジャングル試験の結果値が2週間ほどのものから、自動車の革張りシートとして使われるウルトラレザー®シリーズのようにジャングル試験の結果値が15週間をゆうに超えるものまであります。 

PVCビニールが材料に使われているマッサージベッドを検討する場合は、最低でもRoHS対応保証のものが使われいるかどうかを確認しましょう。鉛やカドミウムなど有害物質が含まれたポリ塩化ビニール(PVC) を材料に使用した”安かろう、悪かろう”の品物がまだまだ世間には多く出まわっています。

PUレザーは加水分解の試験値を、PVCビニールはRoHS対応のものかの確認を必ず行いましょう!

□ 木材の種類(木材そのもの種類)を確認し、マットの木枠であるフレームに合板を使用している製品は避け無垢材を使用してる製品を選びましょう。

理由:木製のマッサージベッドに使われる木材は、グレードの高い順から

メイプル材 (Maple、カエデ・楓)、バーチ材(Birch、樺)、ビーチ材(Beech、ブナ)となります。
強度、時を経るごとに発生する反り、摩耗、割れの発生しやすさから、丈夫で見た目も綺麗にメイプル材を使用したマッサージテーブルを選ぶようにしましょう。 同じ種類の中にもそれぞれグレードがありますので、より良いグレードを選ぶようにしましょう。

脚の木はほとんど全てのマッサージベッドで無垢の木が使われていますが、要チェックポイントはマットのビニールレザーに覆われたマットの木枠(フレーム)の木材です。

フレームに合板が使われていると木の合わせ目から木割れ、剥がれが生じ、体重のかかる部分のネジの緩みが派生し、最悪の場合、クライアントがマッサージベッドに横になっているときにガクンと落ちてしまうようなこともあり得ます。

□ 耐荷重のみで「動的荷重」の表示がないお店は避けましょう

理由:マッサージベッドにかけられる重さの制限である荷重は、2種類あります。
一つは静的荷重(静荷重、等分布耐荷重とも呼ばれます)で、試験方法としては広げたマッサージベッドの上から検査用の大きな万力のような機械でゆっくりじわじわと重さをかけて測る荷重ですが、はっきり云ってマッサージベッドを選ぶ際の決め手にはなりません。 

マッサージベッドは人が二人動きながら使用するものですので、使用中の一瞬の動きの中でかかる最大の荷重である、もう一つの重要な荷重である動的荷重(動荷重とも言います)を必ず参考にしましょう。

動的荷重は最低でも200㎏のものを、220㎏を超えるものが理想です。

マッサージベッドのスペックの表示で、ただ単に耐荷重700㎏、1200㎏と表示されていても、その動的荷重は200㎏に満たないマッサージベッドも多くあります。

耐荷重だけの表示ではなく、必ず動的荷重の記載のある製品を選びましょう。

□ 世界的なのマッサージテーブルの安全基準をパスしたCEマーク付き、UL Listedの製品を求めましょう。